2月22日、今年で第9回目となる「福島“砂”シンポジウム」を開催し、大勢の方にご参加いただきました。
今回のテーマは、日本各地で取り組まれている砂遊びの環境整備と砂遊びプログラムの紹介で、砂場環境がどのように地域の遊びや人のつながりを生み出しているかを互いに知っていただくというものでした。
ご報告いただいた皆様は以下の方々です。
・ 大阪市都島区桜ノ宮ビーチ(大阪市都島区役所 総務課)
・ 芦屋市潮芦屋ビーチ(芦屋ビーチクラブ)
・ 鳥取砂丘西側(鳥取砂のルネッサンス実行委員会)
・ 北九州市「グリーンパーク」(北九州市役所 都市整備局 みどり公園課)
・ 京田辺市「タナクロ」(東レ建設事業部)
・ 釧路市こども遊学館(特定非営利活動法人こども遊学館市民ステージ)
いずれの実践・事例も大変興味深く、砂遊び・砂場環境が、どれほど子どもたちの遊びを豊かにし、人のつながりやまちの活気を生み出すことにつながるのかを具体的に知ることができました。
福島県では、震災から10数年が経ちましたが、子どもたちの日常においては、当時からの屋内での生活や活動の習慣化の影響もあり、子どもたちの体力や運動能力、健康の維持等においての問題・課題も指摘されています。
今回の、全国各地の実践例から、改めて福島が取り組むべき課題も見えてきたように思います。
ご登壇くださった方々、当日ご参加いただいた皆様、またご後援をいただきました諸団体様に、心より御礼申し上げます。
以下に、当日採択したシンポジウムメッセージと、ご参加されて方々からの感想の抜粋をご紹介いたします。
第9回 「福島“砂”シンポジウム」宣言
「“砂”は、子どもを育て、人と人をつなぎ、まちや地域を創る力がある」
東日本大震災以降、私たちはこのような思いを胸に活動に取り組んでまいりましたが、今日のシンポジウムを通して、益々この言葉を実感することができました。
子どもの視力や体力の低下、子育て環境の悪化、ひいては出生率の低下などなど 、いま、こどもたちや保護者を取り巻く現状は厳しいものがありますが、その基本的な打開策の一つは、子どもが夢中になって遊び、心身ともに健康に育ち、保護者も子どもとともに楽しい時間を持つことであると考えます。
今後も私たちは、本日ここにご参加いただいた皆様とともに、「砂場環境と砂遊び」を通して、子どもと保護者、地域・社会が元気になっていくような取り組みを続けて参ります。
これを第9回福島“砂”シンポジウムの宣言といたします。
2025年2月22日
NPO法人 福島SAND-STORY
当日ご参加くださった方からのメッセージ
〇自治体行政が参画している事業は、規模も大きく内容も充実し、継続の保障があることを実感しました。親子が安心して遊びこむことができる環境を維持するには、予算を獲得することも大切な要素です。このような遊びこめる環境を多くの自治体で保障いただけるように、こうしたシンポジウムを継続して開催されることが、未来への希望につながると信じます。
〇北九州市にあのような公園があるとは知らなかったので、存在を知っただけでもありがたかったですが、2つの設計上の比較も興味深かったです。公園関係の行政の担当者が管轄内の全ての園や学校の庭の状況を把握して提案を行っていただけたらよいと思いました。また、障害者の就労とつなげた取組みはぜひ拡がってほしいと感じました。釧路市の室内砂場も知らなかったのですが、すばらしい取組みで、視察に行きたいと思いました。ぜひその成果を広く発信してください。
〇釧路市様のこども遊学館について、室内型の砂遊び施設は、季節や天気に左右されずに遊べる素晴らしい施設だと感じました。他の方のご発表にもありましたが、車いすの方でも楽しめる配慮がされた机型の砂遊び遊具があることは新しい発見でした。
〇職務内で「常設の砂場」を提案・設置する機会が多いのですが、今回のテーマそしてディスカッション内にもありました「大人がどう介入するか」「親が砂場の魅力を理解しているか」「気軽に砂遊びができる環境を設定してあげる」という視点が非常に重要だと感じ、明日からの活動に直接的に繋げていけそうです。砂遊びの可能性が無限大であることを再認識し、まだワクワクしています。
来る2月22日、「福島“砂”シンポジウム」を開催します。
9回目となる今回は、現在、日本各地で取り組まれている「砂場」の環境整備と砂遊びプログラムの広がりについて、実際に各地を繋いで情報共有を行いながら、砂環境が今どのように地域から求められ、どんな役割を果たし、そこから将来の子どもたちに何を伝えていくことができるのか、皆さんとともに考えます。これから、砂場環境づくりや砂遊び砂ログラムを取り入れたいと思っている自治体や団体等の皆さんにも大いに参考になると思います。ぜひご参加ください。
《ご登壇いただく自治体、団体の皆様》
・ 大阪市都島区桜ノ宮ビーチ(大阪市都島区役所 総務課)
・ 芦屋市潮芦屋ビーチ(芦屋ビーチクラブ)
・ 鳥取砂丘西側(鳥取砂のルネッサンス実行委員会)
・ 北九州市「グリーンパーク」(北九州市役所 都市整備局 みどり公園課)
・ 京田辺市「タナクロ」(東レ建設事業部)
・ 釧路市こども遊学館(特定非営利活動法人こども遊学館市民ステージ)
◎2月22日(土曜日)13:00~16:00
◎リモート開催(事前にお申し込みください)
NPO法人 福島SAND-STORY第9回「福島“砂”シンポジウム」申し込み
◎参加費 無料
下記のフライヤーをご覧ください。
ご参加ありがとうございました。今年は新型コロナウイルスの入場制限もなく、屋外・屋内砂場、併せて700名もの皆さんにご参加いただきました。会場は、たくさんの笑い声や歓声が響き、お父さんお母さんも、子どもたちと一緒に楽しんでおられる様子が印象的でした。
ご参加いただき、ありがとうございました。
第8回シンポジウム、今年度は2024年3月9日に福島市の「ふくしまテルサ」をメイン会場とし、リモートも加えたハイブリッド方式により、全国(世界)から49名もの参加者をもって開催されました。
まず最初に本NPO笠間浩幸理事長による「ボストン報告」として、アメリカの砂場発祥の地より、19世紀末の砂場から始まった子どもの遊び場づくり運動の過去と現在についての現地レポートがありました。
次に、NPO会員で福島大学人間発達文化学類附属学校臨床支援センターの宗形潤子教授により、「『幼保こ小』連携の現状と課題」と題して、幼小連携の課題や砂場が果たすことのできる可能性等に関する基調講演が行われ、これまでの「幼小連携」に関する問題点や今後の改善課題について、具体的な事例や文部科学省の考え方を聞きながら学ぶことができました。
その後、宗形教授司会のもと、栗原さゆり(福島市立福島第三小学校教諭)、小島朋美(福島市ふくしま中央認定こども園副主任保育教諭)、松山恵子(福島市ふくしま中央認定こども園副園長)らによるクロストークが行われ、2023年夏、福島中央認定こども園と福島市第三小学校との間に設置された「連接の砂場」に見る子どもたちの遊ぶ姿や保育者・教師らの関係性の構築や子どものとらえ方の変化などについて報告がなされ、活発な討議が行われました。
最後に、下記「シンポジウム宣言」が採択され、終了しました。
【第8回 福島"砂"シンポジウム宣言】
①砂場は、幼少期の心身の発達と人間関係を築く上で重要な役割を果たす環境であることから、今後も引き続きその充実と改善及び新たな設置に向けて取り組んでいきます。
②砂場は、保育者と小学校教諭をつなぐ重要な役割を果たす環境であることから、今後も様々な機会を通して、砂場での出会いや関係づくりを推進していきます。
③福島における砂場を通した「幼小連携」の試みは、大きな可能性を持つ取り組みであることから、今後も積極的に発信するとともに、全国の新たな挑戦との連携を探り応援していきます。
これらのことを、今回のシンポジウムに参加された皆さんとともに、推進していくことを宣言します。
2024年3月9日 NPO法人福島SAND-STORY
【感想(アンケートより、一部抜粋)】
◎砂遊びがとても身近なあまり、そこまで深く考えていなかったことを反省しました。こんなにも子どもが遊べる可能性のある場をもっともっと活用していきたいと思いました。また、架け橋プログラムや幼小連携のお話も大変参考になりました。恥ずかしながらありがちな連携をほぼ当てはまっている現状ですが、なにかひとつでも変えられるようにしていきたいなと感じました。貴重な講話を拝聴でき、大変勉強になりました。ありがとうございました。
◎写真をとりあげ、エピソードや教員の思いを語り合うことで、同じ思いを共有したり、違う意識に気づいたり、双方の先生方の思いを知ることができて大変よかったです。それぞれの先生方が事実だけではなく、そこに教師・保育者としての考えや、児童幼児のその前後の姿等もお話ししてくださることで、1枚の画像の厚みや輪郭が増し、初めて聞くものにとっても理解が進みました。また連携活動をすることで、子どもたち自身だけではなく先生方自身も変化していったこともお話しの中で分かり、連携は教員にとっても重要だということが見えてきました。
◎これまで砂場の歴史に触れたことは全くなかったので、とても興味深くお聞きすることができました。このシンポジウムを通して、幼小の交流活動で砂場を活用することは、大きな可能性を秘めていると思いました。 参加させていただき、ありがとうございました。
◎年齢を問わず集える場となる砂は魅力たっぷりですね。このような機会に参加すると情報が共有でき、現場の子どもから学びも継続できます。ありがとうございました。
今回で第7回目となる「福島“砂”シンポジウム」を、3月5日に開催しました。
今回は「コロナ禍における子どもの健康・生活・遊び」というテーマで、
基調講演に菊池医院理事長の菊池信太郎先生にお話しをいただき、以下のようなプログラムで進行しました。
〇基調講演
講演者:菊池 信太郎(きくちしんたろう:医療法人仁寿会 菊池医院理事長)
テーマ:コロナ禍における子どもの生活と健康
〇シンポジウム(敬称略)
コーディネーター:河内ひろみ(NPO法人福島SAND-STORY副代表理事・事務局長)
◎松山恵子(福島市ふくしま中央認定こども園副園長)
「コロナ禍の保育 ~わたしたちが守ってきたもの~」
◎森陽子(社会福祉法人誠信会 ひかりの子保育園園長)
「コロナ禍からの取り戻し ~大切なことの再確認~」
◎宗形潤子(NPO法人福島SAND-STORY会員、福島大学教授)
「遊んだからこそ気付く砂遊びの大切さ〜ファミリーサンドアートの取組から〜」
第7回 福島 “砂”シンポジウム宣言を、皆さんとともに次のように確認しました。
3年間にわたる頃中にあった子どもたちの生活や遊びは、12年前の再来のような状況でした。
一方、子どもたちにとっての外遊びは、やはりとても大切であったことを、本日のシンポジウムを通して私たちは確認しました。そこで次のことを第7回福島“砂”シンポジウム宣言とします。
◎私たちは、子どもたちの心身の健康と豊かな遊びを保障する砂場の環境づくりと改善・充実に努めます。
◎私たちは、保護者、保育・教育関係者、地域、行政、企業等の皆さんと力を合わせ、楽しい砂遊びの経験を広げます。
◎私たちは、砂場の大切さとその可能性を、ここ福島から全国、そして世界に発信していきます。
多くの皆さんに、ご参加いただきありがとうございました。
3年ぶりとなる「こむコムプラージュ」を2022年9月10日に開催しました
今回は、新型コロナウイルス感染対策のために、事前受付制として希望者全員の参加はできませんでしたが、それでも参加された皆さんは、親子での楽しい時間を砂場で過ごされました。
今年で、第6回目となるシンポジウムを、3月5日(土曜日)13時より15時30分まで開催しました。。
今回は、「『砂・土』遊びが広げる子どもの遊び・はぐくむ未来」をテーマに、基調講演には同志社女子大学教授の竹井史先生をお迎えし、「砂・土」の土壌工学的な視点から、どんな砂や土が園庭環境にふさわしいのかについてお話しいただきました。
また、シンポジウムでは、鳥取、京都、福島におけるいろいろな砂を用いた砂場づくりの試み、砂場遊びの具体的事例についてのご報告をいただき、その後参加者からの質疑等に答えながら、子どもにとってのより良い砂場・園庭環境について皆さんと一緒に考えました。
最後に、下記のようなメッセージを採択しました。
お忙しい中、ご参加いただきました皆様、また基調のご報告をいただきました講演者の皆様に心より御礼申し上げます。
尚、本シンポジウム終了後も、大変ためになった、園庭・砂場の環境改善に取り組みたいといった声がたくさん届けられました。
少しでも皆さんのお役に立ち、子どもたちにより良い砂場環境と楽しい機会を届けることにつながるならば幸いです。
ありがとうございました。
子どもたちの時間は、
いつだって「?」「!」に満ちています。
「生活=遊び」であり、
豊かな経験の蓄積が
「育ち」になっていきます。
『砂ダイアリー』では、
日常の活動や
イベントのささやかなひとこまから、
子どもたちの「キラリ☆」を
紹介していきます。
「みる」・「ひろう」を意識していくと、
「宝物」は、
そこらじゅうに散らばっています☆