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2021.12.14 福島市ふくしま中央認定こども園

🟢 走る♪ 走る♪

マラソンカードを手に5歳児が出てきました。

準備運動をすると、ワーッと校庭に繰り出して行きました。

先生がかけてくれたBGMが背中を押してくれます。

1周・2周・3周~子ども達は自分の目標を走ります♪

みんなが遊び始めた頃、A君がやって来ました。

「はしってくるのでみててください!」

彼はおそらく1周で終わっていたようでしたが、もう一度走ってくると宣言☆

「オッケー♪ いってらっしゃい♡」

意気揚々とスタートを切ったA君ですが、時々立ち止まったりうずくまったりします。

疲れもあるのでしょうが、行く先々で何か心動くものに出会っているようなのです。

でも、彼のマラソンはけっして終わったわけではなさそうです。

時折こちらを見ます。

手を振るとまた走り出します。

かなり遠くなったA君はもう豆粒です。

…ということは、こちらだってきっと棒切れでしょう。

向き合っているのが分かるように足を広げました。

「見てるよ~!」

柄の長いオレンジ色のスコップを大きく振りました。

時間はかかりましたが、A君はしっかり戻って来ました。

「すっごくドコドコしてるね♪」

彼の手のひらの上から一緒に鼓動に触れました。

先生にも伝えました♪

「A君、2周目完走で~す☆」

🟢 遊びの種は何でもないところから☆

塔を作っていると子ども達が集まってきました。

「葉っぱは要りません!」

混ざり込んだ落ち葉を引き抜きました。

すると、誰かのツボを刺激したようです♪

「はっぱはいりません♪」

1人が真似ました。

出現した葉をまた引き抜きました。

「葉っぱは要りません!」

「はっぱはいりません♪」が×3くらいになりました。

こうなるともう、葉っぱが顔を出すことに期待が高まります。

じれったくなったのか、B君が葉っぱをヒラリと落としました。

「葉っぱは要りませ~ん!」

「はっぱはいりませ~ん♪」×5

「それ」を聞きたいから投げ入れる…まるで『おむすびころりん』になりました♪

🟢 物語が生まれました♪…①お姫様を守れ!

Cちゃんがやり始めたのは、形に手を加えることではありませんでした。

「ここにおひめさまいるんだよ☆ わるいひとがこないようにすんの!」

「城壁か~」

思わずつぶやきました。

「それなに?」

「お城を守る高い壁のことだよ!」

 

Cちゃんの頭の中では、どこにお姫様の部屋があるのかも鮮明になってきているようです。

時々手を止め塔に目をやります。

 

ハッとして作業を再開します。

まだ築いていないエリアへの焦りにかられているようです。

「じょーへき! じょーへき!」

集まってきた他の子達に、Cちゃんが言いました。

「じょーへきつくってんだよ☆」

🟢 物語が生まれました♪…②お城への入口

「おひめさまがはいるとこつくらなくちゃ!」

🟢 物語が生まれました♪…③門も作ろう!

ついに完成した城壁を眺めていたCちゃん

「あ!おでかけできない!!」

「これつかう?」

「いいねー♪」

塩ビ管を活用することにしました。

「でもさ、あいてるとこからてきこない?」

Cちゃん、空洞が不安でたまりません。

「どうする~?」

敵が侵入して来たら、門の両側を閉じて封じ込める!という策にたどり着いたようです。

イメージが出来上がるや否や、早速検証!!

落ち葉を敵に見立て、物語が動いていきます。

「てきがきたぞー!!」

→わしづかみの落ち葉が塩ビ管に詰め込まれます。

「ウイーン!!」

→門の前後を手で塞ぎ持ち上げます。

「バーン!!」

→城壁の外に落とします。

ストーリーが、敵との攻防路線に移っていきました。

しばらくして、園舎の庭から先生の呼ぶ声が聞こえてきました。

これからみんなでチューリップの球根を植えるようです。

「最後にコレ☆」

B君、自分なりのピリオドをほどこしました♪

真剣に、そして達成感にあふれて☆

🟢 物語が生まれました♪…④共有したイメージからの展開~♪

最初の子達が球根植えに立ち去った後、残った子達がいろいろと手を加えていきました♪

にじ組の先生が呼んでます♪

「D君はにじさんじゃないの?」

D君、ニコニコ…

今度はそら組の先生が呼んでます♪

「そらさんって呼んでるよ!」

D君、ニコニコ…

ついにご指名となりました!

「Dく~ん!」

うわっ! にじ組さんだったんじゃない!!

どうにもやめられないD君なのでした♡

🟢 物語は続きます♪

ひとしきりすると、別の子ども達がやって来ました。

「これもつかえんじゃない♪」

面白そうなものがあるから近づく

インスピレーションが刺激される

手を加えたくなる♪

やってみる♪♪

誰かの『楽しい』や『ワクワク』は次々に伝播していきます☆

『遊びの住人』はどんどん増殖していきます☆

「せんせー、みて~♪」

「いいアイディアだね♪ 素敵だね♡」

🟢 どんな続編が繰り広げられるのかな~♪

砂場には、その日その時、そしてそこに居合わせた子ども達の物語が生まれます。

イメージを共有し膨らませていくことで、友達とのつながりが『仲間』として深まっていくのだと思います。

『自分を存分に発揮できる』からこそ培われていくものがあります。

『友達が見えてくる力』です。

 

ふり返ると、今日の活動ではひとことも聞きませんでした…

「やんないで!」

「ぜったいこわさないでよ!」

 

『友達の楽しい』も許容出来るようになっている5歳児さん達☆☆☆

成長に感動です♡♡♡

イラスト:Miho OTANI
イラスト:Miho OTANI

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