🟢 走る♪ 走る♪
マラソンカードを手に5歳児が出てきました。
準備運動をすると、ワーッと校庭に繰り出して行きました。
先生がかけてくれたBGMが背中を押してくれます。
1周・2周・3周~子ども達は自分の目標を走ります♪
みんなが遊び始めた頃、A君がやって来ました。
「はしってくるのでみててください!」
彼はおそらく1周で終わっていたようでしたが、もう一度走ってくると宣言☆
「オッケー♪ いってらっしゃい♡」
意気揚々とスタートを切ったA君ですが、時々立ち止まったりうずくまったりします。
疲れもあるのでしょうが、行く先々で何か心動くものに出会っているようなのです。
でも、彼のマラソンはけっして終わったわけではなさそうです。
時折こちらを見ます。
手を振るとまた走り出します。
かなり遠くなったA君はもう豆粒です。
…ということは、こちらだってきっと棒切れでしょう。
向き合っているのが分かるように足を広げました。
「見てるよ~!」
柄の長いオレンジ色のスコップを大きく振りました。
時間はかかりましたが、A君はしっかり戻って来ました。
「すっごくドコドコしてるね♪」
彼の手のひらの上から一緒に鼓動に触れました。
先生にも伝えました♪
「A君、2周目完走で~す☆」
🟢 遊びの種は何でもないところから☆
塔を作っていると子ども達が集まってきました。
「葉っぱは要りません!」
混ざり込んだ落ち葉を引き抜きました。
すると、誰かのツボを刺激したようです♪
「はっぱはいりません♪」
1人が真似ました。
出現した葉をまた引き抜きました。
「葉っぱは要りません!」
「はっぱはいりません♪」が×3くらいになりました。
こうなるともう、葉っぱが顔を出すことに期待が高まります。
じれったくなったのか、B君が葉っぱをヒラリと落としました。
「葉っぱは要りませ~ん!」
「はっぱはいりませ~ん♪」×5
「それ」を聞きたいから投げ入れる…まるで『おむすびころりん』になりました♪
🟢 物語が生まれました♪…①お姫様を守れ!
Cちゃんがやり始めたのは、形に手を加えることではありませんでした。
「ここにおひめさまいるんだよ☆ わるいひとがこないようにすんの!」
「城壁か~」
思わずつぶやきました。
「それなに?」
「お城を守る高い壁のことだよ!」
Cちゃんの頭の中では、どこにお姫様の部屋があるのかも鮮明になってきているようです。
時々手を止め塔に目をやります。
ハッとして作業を再開します。
まだ築いていないエリアへの焦りにかられているようです。
「じょーへき! じょーへき!」
集まってきた他の子達に、Cちゃんが言いました。
「じょーへきつくってんだよ☆」
🟢 物語が生まれました♪…②お城への入口
「おひめさまがはいるとこつくらなくちゃ!」
🟢 物語が生まれました♪…③門も作ろう!
ついに完成した城壁を眺めていたCちゃん。
「あ!おでかけできない!!」
「これつかう?」
「いいねー♪」
塩ビ管を活用することにしました。
「でもさ、あいてるとこからてきこない?」
Cちゃん、空洞が不安でたまりません。
「どうする~?」
敵が侵入して来たら、門の両側を閉じて封じ込める!という策にたどり着いたようです。
イメージが出来上がるや否や、早速検証!!
落ち葉を敵に見立て、物語が動いていきます。
「てきがきたぞー!!」
→わしづかみの落ち葉が塩ビ管に詰め込まれます。
「ウイーン!!」
→門の前後を手で塞ぎ持ち上げます。
「バーン!!」
→城壁の外に落とします。
ストーリーが、敵との攻防路線に移っていきました。
しばらくして、園舎の庭から先生の呼ぶ声が聞こえてきました。
これからみんなでチューリップの球根を植えるようです。
「最後にコレ☆」
B君、自分なりのピリオドをほどこしました♪
真剣に、そして達成感にあふれて☆
🟢 物語が生まれました♪…④共有したイメージからの展開~♪
最初の子達が球根植えに立ち去った後、残った子達がいろいろと手を加えていきました♪
にじ組の先生が呼んでます♪
「D君はにじさんじゃないの?」
D君、ニコニコ…
今度はそら組の先生が呼んでます♪
「そらさんって呼んでるよ!」
D君、ニコニコ…
ついにご指名となりました!
「Dく~ん!」
うわっ! にじ組さんだったんじゃない!!
どうにもやめられないD君なのでした♡
🟢 物語は続きます♪
ひとしきりすると、別の子ども達がやって来ました。
「これもつかえんじゃない♪」
面白そうなものがあるから近づく
↓
インスピレーションが刺激される
↓
手を加えたくなる♪
↓
やってみる♪♪
誰かの『楽しい』や『ワクワク』は次々に伝播していきます☆
『遊びの住人』はどんどん増殖していきます☆
「せんせー、みて~♪」
「いいアイディアだね♪ 素敵だね♡」
🟢 どんな続編が繰り広げられるのかな~♪
砂場には、その日その時、そしてそこに居合わせた子ども達の物語が生まれます。
イメージを共有し膨らませていくことで、友達とのつながりが『仲間』として深まっていくのだと思います。
『自分を存分に発揮できる』からこそ培われていくものがあります。
『友達が見えてくる力』です。
ふり返ると、今日の活動ではひとことも聞きませんでした…
「やんないで!」
「ぜったいこわさないでよ!」
『友達の楽しい』も許容出来るようになっている5歳児さん達☆☆☆
成長に感動です♡♡♡